About
感性教育の拠点、
五十嵐威暢アーカイブ
五十嵐威暢アーカイブは、独自の視点でこの世界を感受し、創造する力を養うための新しい学びの場です。
ロボット、人工知能、IoTなど、進化するテクノロジーが日常を変えつつある現代。一方で、自ら考え判断し表現することはもちろん、人間本来の「見る力」、「感じる力」、「考える力」を発揮してこれからの社会に貢献できる人材育成の重要性が再認識されています。 KITの導入するSTEAM教育* の「A」(アート)において要となるのが、感性教育です。五十嵐威暢アーカイブは、その拠点として、彫刻家・デザイナーである五十嵐威暢氏から寄贈を受けた作品・資料を用いた独自の教育プログラムを通じて、学生の感覚を高め、自由な発想と創造の糧となる豊かな感性を醸成します。
*Science(科学)、Technology(技術)、Engineering(工学)、 Art(アート)、 Mathematics(数学)を統合する教育手法。
感性教育の拠点、
五十嵐威暢アーカイブ
五十嵐威暢Igarashi Takenobu
1944年北海道滝川市生まれ。
多摩美術大学を卒業後、カリフォルニア大学で芸術学の修士号を取得。1970年代からデザイナーとして国際的に活動し、千葉大学、UCLAで教鞭をとる。
多摩美術大学では、わが国初となるコンピューターによるデザイン教育の基礎づくりに参画、美術学部二部(のちの造形表現学部)創設に参加し、初代デザイン科学科長を務める。
1994年に彫刻家へ転身。
2011年より多摩美術大学第9代学長を務め、現在は名誉教授。
日常にアートをという理念のもと、国内外にパブリックアートとしての作品を数多く制作。
デザイナーとして四半世紀、アーティストとして四半世紀を超えたいまも創作を続けるかたわら、次世代への教育にも情熱を傾ける。
五十嵐威暢ウェブサイト
金沢工業大学
1965年開学。 技術者の育成を通じて社会に貢献することを建学の理念とし、「人間形成」「技術革新」「産学協同」を掲げた教育に取り組む。
学生自らが世代、分野、文化を超えてプロジェクトを組み、AIやIoTを活用しながら社会的価値を持つ研究課題を発見。
創出した解決策は具体化し、実験、検証、評価していくという社会実装型の教育研究を通じて、未来にチャレンジする研究力を養成する。
さらに、SDGsの視点や考え方を各授業に組み込み、学生は身近な社会や地球規模の課題を結びつけ、各学科の強みを生かした関連プロジェクトを創出。
情報化社会に継ぐ未来社会をリードする人材育成を目指している。
金沢工業大学ウェブサイト
展示を主体とする3つの活動
1. 見る目を鍛える展示を中心とした教育プログラムの実施
収蔵作品・資料の展示を定期的に開催します。五十嵐氏の作品のみで構成することもあれば、 五十嵐作品と他者の作品を組み合わせるケースも。いちばんの特色は、視覚情報を用いた比較に基づく展示手法にあります。
なぜそれが優れているのか、その美しさはどこから来ているのか。
目視による比較は気づきの源泉であり、「見る能力」を高めるきっかけにも。
展示を感性教育の装置として活用することで、より直感的な理解と閃きを得ることが可能となります。さらに展示に関連してトークやワークショップなどを実施します。
2. 五十嵐作品の研究
作品が生み出された背景や社会の流れ、交流のあったデザイナーやアーティストも 研究対象とし、研究機関としての機能も。
成果を展示として発表することも想定しています。
3. 作品と資料の保存収蔵
アーカイブの核となる作品や資料の保管に加え、将来的な展示に必要と考えられる作品、デザインやアートに関する書籍など、資料の新規収蔵も検討していきます。
ネットワーク
国内外の企業、教育機関とも連携して、プログラムの充実や研究活動の協力を行う計画です。
現在、五十嵐威暢氏の作品や資料は以下の施設にも収蔵されています。
竹尾アーカイヴズ
紙の総合商社、竹尾が運営するアーカイブ機関。五十嵐威暢ポスターコレクション、竹尾ポスターコレクション、レターヘッドコレクションなどグラフィックデザインにまつわる資料や作品を多数保有する。
制作チーム
施設デザイン
建築設計・監理:アーキシップスタジオ 飯田善彦 山下祐平 塚本安優実
設備:森村設計 吉田崇 古峯佳奈
照明:Lumimedia lab 岩井達弥 石井孝宜 田部武蔵
家具・什器:早野意匠 早野正寿
サイン:ハダ ステュディオ 羽田健一
施工
建築:池田建設株式会社
家具:菊池家具
電気:米沢電気工事株式会社
空調:株式会社大気社
サイン:ヨシダ宣伝株式会社
ロゴデザイン
MORI DESIGN INC. 森治樹
協力
イガラシアトリエ 羽田麻子
(2023年3月)